Project Fiction

プロの映画監督を目指す男(SFオタク)の戯言

さようならTSUTAYA、コンテンツをありがとう

昔ながらのものがなくなって、寂寥感が心にしみわたる。そんな体験は、自分より上の世代の人間の話だと思っていた。だが、先日、僕はそれを味うこととなった。

地元にあるTSUTAYAが12月29日をもって閉店してしまう。

張り紙をみてみたら、20年前の開店。僕がちょうど、母と妹と共に、上海から日本に帰ってきた時期だ。いま思い返せば、僕にとってTSUTAYAはコンテンツの宝庫だった。幼少の頃は、ウルトラマン仮面ライダー、戦隊モノを母親や母方の伯父がレンタルしてくれた。ドラゴンボールだってそうだし。

中学の時は、サッカーのクラブチームの練習の帰りに、学校の朝読書で読むための、サッカー関連の文芸書をよくそこで買った。BONJOVINickelbackのCDをレンタルしたのだって思い出す。

LAから完全帰国したあとだって、散歩がてらにそのTSUTAYAに寄って、サブスクや、ネット配信されてない作品をレンタルしたりもした。

なんなら、このブログの最初の評論は、渡米前に観て、無性にもう一度観たくなった「ミッション:8ミニッツ」をTSUTAYAに借りに行った時に偶然発見した、「華氏451」の実写映画だ。僕が東京の映画制作会社で働き始める直前まで、いろいろレンタルしていた。年末に、また地元に戻った時は、売り出されている、作品を何本買おうかな。

技術革新やテクノロジーの一般化によって、需要が激減したり、消滅した職業は山ほどある。カメラの登場に影響を受けた、写実主義のアーティストのように。

これも、進化をし続け、良くも悪くも自浄作用が必要な僕たち人類の文化と文明の自然な流れなのかもしれない。

2024年12月30日に、僕の地元のTSUTAYAは過去のモノとなってしまう。しかし、僕の脳内の海馬の中で、思い出というカタチで、僕の生命が尽きる、その時まで、生き続けだろう。TSUTAYA独特の店内に充満した、プラスチックの匂い、なぜか僕は好きだった。

さようならTSUTAYA、コンテンツをありがとう。